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万能ツールとしてのICT

  • お知らせ
2015.12.24

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ICT活用によるグローバルな社会課題解決×国際展開

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ICTによる成長の軸として特に近年クローズアップされているのが、万能ツールとしてのICTの活用である。国内において、少子高齢化やエネルギー制約、地方の疲弊、財政の悪化など成長の制約要件となっている社会課題は、グローバルに共通な課題ないし今後世界各国で問題となりうる課題であり、その解決をICTを活用したイノベーションを通じて進め、その成果を運営ノウハウも含め国際展開するという道筋である。既にICT街づくり(スマートタウン、スマートシティ)において取組が進められているが、超高齢化社会対策や生活資源対策など、我が国が抱える様々な社会課題の解決にICTを活用することを通じて取組の展開が期待されているところである。このようなグローバルな社会課題の解決をイノベーションにより進め、それを国際競争力ある製品・サービス開発に結び付けようとする考え方として、デマンドサイド・イノベーション政策があげられる。

フィンランドの例をみると、新技術・新製品と新サービス、新生産プロセスを生み出すことにあった伝統的なサプライサイド・イノベーション政策を従来とってきたが、その概念をさらに拡張し、新専門サービス、新ビジネスモデル、新デザインや新ブランド、さらには公共サービスの改良、組織や構造の改良がイノベーション政策に含まれるとしている。また、企業の競争力の向上だけでなく、公共部門の生産性や仕事と生活の質が経済成長と福祉に大きな影響を与えるとしている。

このような観点から、国内では「デマンドドリブン・イノベーション」と「ユーザードリブン・イノベーション」に力を注いでいる。「デマンドドリブン・イノベーション」とは気候変動、高齢化などグローバルレベルの社会的課題を解決するタイプのイノベーションを指し、例えば、道路の渋滞の解消のために、排気ガスだけの規制では不十分で、イノベーションにより解決していこうという発想である。デマンドドリブン・イノベーションでは、グローバルに共通する社会的課題に対するソリューションを開発すれば、それが経済成長や国際競争力の向上に結びつくとの立場に立つ。フィンランドでは、デマンドドリブン・イノベーション推進に向けて研究開発から始めて、公共セクターのリーダーシップ、先進的な規制、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)、公共調達、標準化、システム構築という手順について、フレームワークとして公表している。

公共部門におけるICTの活用をどう進めるかも、公共部門のイノベーション促進を通じた課題解決にとって重要のようです。ICT産業をはじめとする関連産業のイノベーションにも直結すること、グローバルに共通する社会的課題に対するICTの活用方策を開発すれば、それがICT産業、ひいては全産業の国際競争力の強化に結び付くようです。

 

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