G空間情報に係る環境の変化
- お知らせ
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G空間情報を活用できる端末の普及
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自らの位置を知る測位は、従来は目標物や天体等の位置に基づく手法や電波測位や自立測位による他はなかったが、衛星測位の出現によって、衛星測位信号が受信できる範囲であればどこでも一定程度の精度で測位をすることが可能になった。衛星測位信号の受信機はその初期では専用の機械が必要でかつ高額であったが、2007年に改正事業用電気通信設備規則の施行により、電気通信事業者が緊急通報(110、118及び119)を扱う際に、発信者の位置情報等を通知する機能等を義務づけられたことから、これ以降発売される携帯電話端末の多くにGPS測位機能が搭載された。このことにより、GPS受信素子の価格が低下するとともに急速に普及することとなった。また、カーナビゲーションシステムの普及もこれに貢献している。また、測位した結果やGISに格納された情報を閲覧する上で、地図を表示する端末の普及も利用活用の上では重要である。2008年前後のスマートフォンの発売以来、大画面で地図アプリケーションを搭載した携帯端末が普及することにより、いつでも、どこでも地図を閲覧することができるようになった。平成24年通信利用動向調査によれば、家庭外でスマートフォンを主たるインターネット利用端末として利用する層は、地図情報提供サービスの利用率が39.6%と、他の端末利用より格段に高くなっている。このため、スマートフォンの普及が我が国のG空間社会の浸透に果たした役割は大きいと言えるだろう。また、G空間情報を活用する主な端末としては、スマートフォンのほかにカーナビゲーションシステムがあるが、2012年12月末時点で5,400万台を超えるなど、普及が進んでいる。
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ワイヤレス・ブロードバンドの整備
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G空間情報をいつでも、どこでも利活用する上では、いつでも、どこでもインターネットに接続できる環境が求められる。その意味で高速で安定したワイヤレス・ブロードバンドの整備がG空間情報の利活用環境の向上に及ぼす影響は大きい。我が国においては、平成22年12月より3.9世代携帯電話サービスの提供が開始されたこと等を受けて、急速に移動系超高速ブロードバンドサービスの基盤利用率(契約数が全人口に占める割合をいう。)が増加している。その一方で、移動体データ通信の利用料金は、同一の価格水準を維持したまま高速化が図られており、ワイヤレス・ブロードバンドへのアクセスが容易なG空間社会の基盤整備が進んでいるといえる。
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クラウドサービスの普及
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G空間社会における様々なサービスの提供に当たっては、地図情報が不可欠であるが、地図情報の「鮮度」を維持することが重要な課題である。また、日本全国をカバーする地図情報は膨大であり、地図情報データベースをどこに保存するかは、サービスの提供に当たっての課題といえる。カーナビゲーションシステムでは光磁気ディスクに地図を格納してディスクを交換することにより、地図情報の鮮度を保っていた。
このような課題については、地図アプリ提供事業者がデータセンター等で地図情報を一元的に管理し、利用者がクラウドサービスを利用して常に鮮度の高い地図を必要な箇所だけアクセスするクラウドサービスの利用が有効である。利用者にとって、クラウドサービスを通じて、地図情報等のG空間情報を利活用しやすい環境が整ってきており、G空間社会の成長を下支えしていると言える。
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地図アプリ
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スマートフォンの多くがGPS機能を有しており、スマートフォンユーザーの7割以上が位置情報サービスを利用している。Google、Yahoo!、Microsoft、Apple等のプラットフォーム事業者は、地図調製事業者から調達した地図をポータルサイト等で地図アプリとして提供している。また、地図調製事業者自身も地図アプリを独自に提供している。一部のスマートフォンでは、端末の位置情報を重要な情報としてとらえ、測位機能、位置情報、地図アプリをOSレベルで統合している。その結果、端末の位置情報に基づく渋滞状況を地図アプリで提供するなどの新たなサービスが生まれている。また、サービス事業者はプラットフォーム事業者又は地図調製事業者から入手した地図アプリを活用して、独自の情報を重畳する等して、観光ガイドや店舗案内、ゲームなどの多様な位置情報に関連するサービスを提供している。